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関西マラルメ研究会とは
2020年、関西マラルメ研究会は、その創立から17年目の年を迎えました。この研究会は、難解をもって知られる、19世紀フランス象徴主義を代表する詩人、ステファヌ・マラルメ(1842-1898)を研究しています。
この研究会の誕生は、2003年5月。当時、大阪大学の博士課程に所属していた坂巻康司(現東北大学教授)、神戸大学の助手であった中畑寛之(現神戸大学教授)が発起人となり、関西地域の若手研究者を糾合し、これまで蓄積されてきたマラルメ研究の遺産を継承しつつ、より多角的な視野に立ってマラルメの業績を検討していくことを目的として結成されました。その後、研究会の運営は、大阪大学博士課程の足立和彦(現名城大学准教授)、廣田大地(現神戸大学准教授)により、着実な形で進められて行きました。
当初から、関西マラルメ研究会は必ずしも既存の研究に縛られない、自由な研究発表の場になることを望んで来ました。会員はマラルメの思想に関しては共通の認識を持っておりますが、その研究方法は様々です。一方の研究が比較芸術学的、比較思想的なものであれば、他方の研究はよりテクストに密着した実証主義的なものである、という具合です。
このように、関西マラルメ研究会は一つの研究方法をとることなく活動を続けて来ました。そうすることにより、幾つかの実りある成果をあげて来たと思われます。今後も、出来る限り多角的で多様なマラルメ像を炙り出すために、マラルメプロパーだけではなく、周辺領域の研究者の方々の参加を得て会を進めて行ければと考えております。
活動内容
1.読書会
現在、最も中心となっている活動は、月1回の読書会です。
2003年5月からの第1期読書会ではマラルメの芸術批評をプレ・オリジナルのテクストに戻って読んで行きました。この時に読んでいたテクストは、1886年から1887年にかけて「独立評論」誌に連載された「演劇に関する覚書」です。その際、『ディヴァガシオン』に収められた決定稿と比較対照しつつ、マラルメが演劇論を通して表明した考えを明らかにすることを目指しました。9つのテクストを2年間で読み終える予定でしたが、思いのほか難航し、5年目でようやく読み終えることが出来ました。
2008年5月から始まった第2期読書会では、マラルメの全韻文詩を精緻に読解するということを試みました。この作業を完遂するには、かなりの年月が必要とされました。
2020年となった現在、読書会は第3期に入り、中畑寛之の主宰により続いています。神戸大学や大阪大学の研究室など、幾つかの会場で実施しています。
2.研究発表会
春と秋の年2回の研究発表会を行なって来ましたが、近年は年1回のことがあります。 研究発表会は若手研究者の研究発表の場であると同時に、他の地域や可能ならば諸外国の研究者を招いて活発な議論を展開する場になっています。これまで大阪大学、神戸大学、京都大学などを会場として発表会を続けています。
3.今後の活動目標
これまでに刊行した書籍については、「会員による近年の著作」のページをご覧ください。今後も、会員各自が様々な形で研究成果を公にして行きたいと考えています。
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